東京にほんごネット有田玲子先生とのコラボレーションは今年で3年目を迎えました。

2020年以降、有田先生は当法人が行う日本語教育事業のメンターと言っても過言ではありません。

 

さて、先生と事務局半場が本講座を企画した裏方を少しお見せしますと…

いつもこんなふうに「日本語教師観」について「熱く」語り合っています。

そのような語り合いの中で、「日本語教師養成段階で『ラポール』という言葉は出てくるし、それを”信頼関係”という意味だと教わるけれど、具体的にどんな教師の姿勢や取組が”ラポール”につながるの?そういう教育実践がどんどん普及されたらいいですよね」というのが出てきて、

ということになったわけです。しかも、私たちにとって「地域日本語教育って何?」を突き詰めたときに「それは、コミュニティの基盤づくりだ」ということにも行きつき、「なおさらラポールは必要だね」という打ち合わせをしてきました。

今回、ラポールを考える上では「マイクロカウンセリング技法―事例場面から学ぶ― 福原眞知子監修(風間書房)」を参考にしました。キャリアコンサルタントの養成段階では理論・技法などから「ラポール」を徹底して勉強するのですが、この知識とカウンセリング実践は日本語教師にも役立つと思ったからです。

マイクロカウンセリングは傾聴を基本としています。とくに「かかわり行動」を重要視しています。かかわり行動ではクライアント(私たちの場合は学習者)をよく観察し、ジェスチャーや声質などに注目します。ほかにも、「かかわり行動」には「言語追跡」というものがあり、これを日々の活動の中に取り入れる意義について触れました。当法人はフィリピンの方々との対話から「言語追跡」を基本としながらニーズ・レディネスを把握し、様々な教育活動を組み立てています。ですから、教科書の出番がないのです。

それからもう一つ。学習者をよく観察し「はげまし」という技法を使うこともあります。「はげまし」と言うと学習者を元気づけるような声掛けだと思われるかもしれませんが、そうではありません。相槌や「うん、それで?」と言ったカウンセラー(私たちの場合は教師)の態度や意図を持った問いかけが、安心した場での対話につながり、ラポールが形成されていきます。

そして、カウンセラーが「自己一致」した状態であることが大切だと言われているように、日本語教師も対人援助職と言えますので、ぜひこの「自己一致」にも敏感でありたいと肝に銘じております。本講座では有田先生によるファシリテートのもと、そんな当法人のある取組について事例紹介をさせていただきました。

 

今回、カウンセリングに関する内容と日本語教育の関連性を整理してお伝えすることは難しいことでしたが、有田先生が参加者の皆様にとっても理解が深まるよう、ブレークアウトルームでの話し合いや個人ワークを段階的に組み入れて講座に仕上げてくださいました。終了後のアンケートではPdletを使って他の参加者と意見共有できたことが好評だったこともうかがい知れました。有田先生、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございます!

1月21日に続きます。引き続きよろしくお願い致しますm(__)m