多文化共生社会を「みんなで」つくる ~協働センターでの日本語教室活動から~(浜松市再委託事業・ご報告)

おかげさまをもちまして8月6日(土)、浜松市地域日本語教育の体制づくり推進事業「週末浜北コース」が終了しました。

5月から「ひらがな・カタカナ」、6月には「漢字」の勉強に入り、最終日は「漢字で住所を書く」という学習内容でした。

…が、実は最終回、漢字で住所を書く「練習」はしていないのです。でも、みんな「できた」という取組をしましたので、下記、ご報告を申し上げます。

(*^^)v

このクラスでは5月からずっと、「最終回には漢字で住所を書くよ」「協働センターの窓口に行って、住民票の申込書に書くよ」とアナウンスし続けてきました。

あわせて、早くから皆に「こちら」(2020年度の報告として、文化庁に提出したオリジナル教科書より)のハンドアウトをお渡ししていました。

 

さらに毎回、授業が終わるたびに「宿題で住所を書く練習をしておいてね」と伝えたり、「授業は1時からだけど、12時半には部屋を空けておくので早めに来て練習してもいいよ」とアナウンスしたり…。

またLINEでは、「みんな、住所書いてる~?」と動画メッセージを送ったり(笑)

筆順アプリ」を紹介したり…などなど。

あらゆる声掛けで、自主学習をサポートしてきました。(「ちょっとずつでいいから、やってみてね」をLINEグループに動画で送るの図)

平行して、テーマに沿った漢字学習はカリキュラム通りに進行していました。とくに浜松市から指定の「ベーシックストローク」「薬局」「病院」「道」というテーマについては各語彙の書き順はもとより、自主学習では難しい字のバランス、成り立ち、意味などの「漢字の基礎」を日本語教師が教えながら、そして教室補助者も細やかにサポートしながら、チームティーチングで展開していきました。

いっぽう、「住所のテーマ」は皆さんがお持ちの在留カードに「漢字のかたち(答え)」が書いてあることを手掛かりに、「自主的に取り組んで書けた」というゴールに向けてサポートしていきました。

 

漢字で住所を書くことについては「自分のこと」として

・暗記していないけど、書いた経験がある

・上手に書けないけど、書いた経験がある

・書いた経験はないけど「書いてみたいと思っていた」

多くの方は、いずれかにあてはまり、すでに「書きたい動機は持っているテーマ」だと考えたからです。そのため皆には、「漢字の基礎や学び方を身に付けたし、自分に必要な漢字だから、きっと書けるようになるよ」ということを言い続け、後押してきた3か月となりました。

加えてもう一つ、みんなの自信をより確かなものにするため、早くから協働センターの職員さんに協力をお願いしていました。

「私たちは毎週、漢字の勉強をしていますが、最後に住所を書きたいと思っています。実際に窓口で住民票の申込用紙に記入するというワークをしたいのですが、協力していただけませんか」とお願いしたところ、ご快諾いただきました。

こうして迎えた当日。協力してくださるお礼にと、先にご担当の田中さん(仮名)には静岡県の「やさにち富士夫くんバッジ」をお渡ししてあったのですが、エプロンに付けて教室へお越しくださいました。「私、やさしい日本語で話せるかしら~」と協力を楽しみにしてくださっていたご様子。

しかも!田中さんは、本来A5サイズの住民票の申込書を、ホワイトボードに貼って説明するためにA3サイズに拡大印刷の準備をして、このクラスに備えてくださっていたのです!ありがとうございます^^

 

田中さんは、住民票の申込書に書くときの注意点や外国人市民が窓口へ来て、よくあるケース(持ち物や本人確認、申請目的に合わせたレ点を入れる箇所など)、協働センター窓口で取得できるその他の書類についても、とても丁寧にユーモアを交えて教えてくださいました。その様子は、これらのお写真から伝わるでしょうか。

「本人確認書類は、車に乗る人は免許証でいいし、いつも持ち歩いている在留カードでもいいのよ。マイナンバーカードでもいいけど、あれはなくすと大変だから、持っている人はちゃんと金庫で保管してね。なくさないように気を付けてね」と、みんなのことを心配し、気遣ってくれました。

(みんな金庫を持っているかな!?と見守りつつ、少なくても田中さんが皆のことを気にかけてくれている様子が伝わってきます♡)

ある学習者がポロリと。「この人、いい人だね。(サンプルで見せてくれた)免許証もゴールドだしね」と言っていました。

何か、心に響くものがあったのでしょう^^

さて座学が終わり、田中さんは「私は先に窓口へ戻るわよ。あとで、待っているから。心の準備ができた人から来てね。」とメッセージを残して去っていかれました。

学習者たちも順番に窓口へ移動し、さぁ、いよいよ「漢字で住所を書く」という本番です!緊張感の中、思い思いに最初の一言を窓口で切り出して…

「すみません、住民票お願いします」

「すみません、田中さん、いらっしゃいますか」

みんな、すごく真剣!

書き終えた人には田中さんが一人ずつに、「がんばったわね。書けたわね。大丈夫!わからないときはこれからも、私に聞いてね」とお言葉をかけていらっしゃいました。(心強いです!これからも土曜日、よろしくおねがいします)

こうしてセンター職員と利用者である私たちの間で関係性が築き上げられ、そのような安心した環境下で「漢字で住所を書くことができました」。

この取組について皆さんの感想ですが、教室へ戻って来るやいなや「キャー、先生、うれしい!できた~(><)」と小刻みに足踏みして喜ぶ方もいましたし、

★自力で書けて、楽しかった

★Self confidenceになりました

★次は、印鑑登録をしてみたい

というお声が聞かれました。

それから印象的だったのは「いつも、ローマ字で書いていたときは長くなってしまってフレームの中に入らなくて、すごく嫌だった。漢字なら、このフレームの中に収まる!書けるようになって、よかった」とおっしゃった学習者がいたことでした。

漢字で書くと枠内に収まるという喜びを得て、これまで潜在的に感じていた不快感・困っていたことに気づかれたようです。ご自身でそれを解決して、晴れ晴れとした表情をしていらっしゃいました。この方、妊婦さんなのですが、これからたくさん書類に住所を書く機会があると思います。よかったです。

・・・

ところで来年2月ごろ、浜松市は窓口での住民票をはじめとする書類申請はペーパーレスになっていくそうです。「だったら、漢字で住所を書けなくてもいいんじゃない?」というお声も聞かれないわけではありません。

ですが、「書けるようになりたい」「書けるようになった」という「思い」に、地域が理解を示し、寄り添う意味は大きいと思います。

日本語教育を取り巻く施策が激動の今、「地域活性化」を目的としたビジョンや理念、あり方が示されつつありますが、現場はこれに呼応し「教育実践としてのカタチ」を、試行錯誤ですがどんどん輩出していきたいです。

みなさん、またお会いしましょう。

 

★9月10日からは「バヤニハン~みんなで地域をつくっていこう~」の浜北クラスが開講です。引き続き、よろしくおねがいします。

 

 

 

 

 

職業訓練の説明会をしています。

 

★職業訓練については「こちら

 

ところで、このようなご相談・ご質問はありませんか。

・新しい仕事をさがすために、日本語やパソコンの勉強をしたいです。

・販売やサービス業の仕事に転職したいです。

・求職者支援制度の給付金について知りたいです。

・失業手当について教えてください。

など。

 

まずは、お問合せください。

多様性を生かしたまちづくり2022(浜松市)

本日、浜松市「多様性を生かしたまちづくり2022」 セッション①に当法人代表理事・松本が登壇しました。

 

現在、当法人はフィリピンの方々の「入口」「居場所」「出口(日本社会へ橋渡し)」の機能を有しています。

付け加えますと、設立当時は「居場所」でしたが、そこから”交流”が生まれて”ハブ”の役目を担うまでに至りました。この点が、外国人コミュニティを日本社会に埋没させないために必要不可欠だと思います。

そして、フィリピンの方々の自助努力団体をしっかり守ってきたところ、様々なライフステージの方々が集まる場になり、相談に応じているうちに自然と必要な事業として拡大してコミュニティの成長につながった…という団体の歴史をお話させていただきました。

最近では、フィリピンの方以外の参加もあります。もともと「助け合って学ぶ」「誰かの役に立ちたい」ということからスタートした団体の価値観が醸成され、近年の多国籍化としての関りは、スタッフ一同とても自然体です。

ただ、価値創造型の多文化共生都市を目指すと考えた場合には、これに関わる人材育成を絶えずしていく必要があります。継承していくには課題を抱えているのも現状です。

浜松市は1990年の入管法改正以降、多文化共生・日本語教育に関する取組を、その時々の状況に応じて、絶えず展開してきました。こうして自治体が事業化することで在住外国人に寄り添ってきましたし、そこに関わる人々が自己研鑽・切磋琢磨してきた歴史があります。

フロアでの意見交換では、人材育成の課題に対して、現場レベルでの知見をお話申し上げました。

①多文化共生への理解があり、造詣が深い日本語教師を、いかに地域日本語教育の仲間として増やせるか、日本語教育に関する法律が整備されている今だからこそ、改めて向き合っていること

②活動を10年以上継続したところ、フィリピンの高校生・大学生・卒業生たちといったかつての生徒が、小中学生の支援を自主的に担っていること

③教える・教わるという垣根を取り払って、あるテーマについて「いっしょに調べよう」というように「共に学び合う」環境づくりをすることで、さらなる仲間づくり(人材育成)へ意図的に発展させようと努めていること

 

最後にフロアでの結びとして、「国レベルでの法整備の必要性」と「自治体による共助の仕組みづくりの重要性」について、お話がなされました。

本シンポジウムは、2023年より施行の第三次多文化共生都市ビジョン策定に向けたものと聞いています。「オール浜松」にふさわしい、記念すべき日に当法人も参加することができましたことを、心よりお礼申し上げます。

Maraming salamat po.ありがとうございました^^

南部協働センターの出入り口を、ぜひご覧ください

今月、フィリピノナガイサの子どもたちの体験授業のテーマは「安全に気を付けて、交通ルールを守って、自転車に乗ること」でした。学習を終えた後、勉強したことをポスターにまとめました。

とても良く描けましたので、「センターに掲示させてもらえないか。相談してみよう!」ということで、お願いにあがりました。

センター職員から、「『いいですね!ここなら、来た人にも良く見えるし、自分たちが帰るときも安全に気を付けて帰ろう』と、思い出しますよね」と、出入口の掲示板のスペースを空けてくださいました。

ご協力に心よりお礼申し上げます。

浜松市南部協働センターへお越しの際は、ぜひ子どもたちのポスターをご覧ください。入ってすぐ右手にございます。

【職業訓練】定住外国人向け「販売サービス科」チラシ(英語・ポルトガル語・スペイン語・日本語)&説明会があります

訓練について興味のある方は、下記のスケジュールで説明会(南部協働センターにて)を実施していますので、お気軽にご参加ください。
・8月10日(水) 13:00~14:00
・8月17日(水) 13:00~14:00
・8月24日(水) 13:00~14:00
・8月31日(水) 13:00~14:00
・9月7日(水)  13:00~14:00
・9月14日(水) 13:00~14:00

 

 

(日本語)

 

(英語)

 

(ポルトガル語)

 

(スペイン語)

知の循環型社会の実践!みんなで、「やさしい日本語」講座に行ってきました♡

当法人は、浜松市UD講師派遣プログラムに登録しており、小中学校の総合学習の出前講座に応じています。

今回は体育館で小学校4年生、100名の児童に向けた講座です。当法人の子どもたちも事前準備(こちら)をして、いっしょに出かけました。

いつも元気なK君ですが、100名の小学生がドドドッと体育館に入ってきた途端、「先生、nervous…」と声が小さくなってしまい緊張している様子。自己紹介もノートを見ないで言えるように準備してきたし、ポスターも作ったし、きっと大丈夫だよ。

(K君はじめ、当法人の子どもたちが用意したポスターはこちら。意思疎通のコツを予め考えてポスター制作しました)

 

・・・

本当に大丈夫でした!本講座の導入部分で、K君たちの話す「意思疎通のコツ」を、小学生たちがメモを取りながら聞いています。そのメモをチラッと見てみたところ…

パックマンをそのまま描きうつしている児童が多いのは想定内でしたが、驚いたことに短時間に「ジェスチャー」と描いたハンドサインのイラストを、色を入れて描きうつしている子もいました!フィリピン国旗も鮮やかに色塗りされています。

メモとして、児童たちが文字情報だけでなく絵をも描き取り、コミュニケーションのコツ全体を抽出して捉えようとする力に脱帽しました。

さて、こんなふうに子どもたち同士で導入が済み、ワーク活動へ。ワークは小学生たちに次のように提案しました。

 

フィリピノナガイサの教室では今月、「交通ルールを知って、安全に気を付けて、自転車にのることができる」をテーマに勉強しています。そこで、自転車の安全な乗り方に関する○×問題を小学校の児童たちに作ってもらい、当法人の子どもたちに「やさしい日本語」で伝えてほしいというお願いをしました。

~授業冒頭に聞いた、コミュニケーションのコツも入れて。できるかな???~

次々と小学生たちからクイズが飛び出し、挙手が止まらない!活気があります。児童たちから出たクイズ問題と、当法人の子どもたちが「少しむずかしいな」と感じている様子だった箇所を( )内に記しました。次の通りです。

Q:自転車は車の仲間である。〇か×か。(「仲間」という語彙が少し難しい様子だったので、「言いかえ」や「ジェスチャー」で伝える工夫をして再出題)

Q:自転車は車道を走ってはいけない。〇か×か。(「車道」が難しい様子。「言いかえ」で再挑戦)

Q:自転車を降りるときは、左側に降りる。〇か×か。(「がわ」と「降りる」が分からない様子。「降りる」ジェスチャーをして伝え直した)

Q:自転車に乗っているとき、前から小さい女の子が歩いてきたら、自転車から降りて歩く。〇か×か。(スタッフがハサミの法則で文章を短くするフォローを入れた。2つの文章を比べて、短いほうが分かりやすいことを実感してもらった)

Q:自転車に乗る時はヘルメットをかぶる。〇か×か。(「ヘルメット」はわかるものの「かぶる」が良く分からない様子)

 

小学生たちに、「かぶるって何?」と聞いたところ、せんだみつおさんもビックリの100人による

ナハ、ナハ、ナハのアクション(笑)

なるほど!体育館で実施する講座は、このくらいシンプルな問いかけを講座の構成に散りばめるのほうが大胆なコミュニケーションを引き出せるのだとわかり、事務局としても大変参考になりました。ナハ、ナハナハ!

小学生の子どもたち、どうもありがとう^^

 

最後に本講座の締めでは定番になりましたが、

★文化庁「つながるひろがるにほんごでのくらし」パンフレットを配布

★静岡県「やさ日富士夫くん」のバッジ

を児童たちに差し上げて、終了です。

 

当法人の子どもたちも初めての小学校訪問でしたが、大人数の前でよくがんばってくれました。皆に少し自信がつき、良い思い出になったとしたら、嬉しいです。

 

・・・

翌日、この講座へ行ったことを当法人の授業の中で振り返りしました。この日から新しく入った生徒たちも複数名いましたので、小学校でどんなことをしてきたのかを伝えながら。

★100人の前で自己紹介できすることが「できた」よね。すごい!

★昨日と同じように、クラスの中で自己紹介をやってみせる(新しく入ってきた生徒たちがいるので、お手本になるよう見せてあげよう)

★「思い出」の漢字と共にラップブックを作成する(この時間を使って、新しく入ってきた生徒は先の自己紹介を手本に、自己紹介の練習をして授業最後に発表)

 

こんなふうに知の循環型社会の実践をしました。日々成長していく皆のことを頼もしく思います。

 

自宅近くの「ひなん地」「ひなん所」を、漢字で記入しました(浜松市日本語教室「週末浜北コース」)

このクラスでは集合写真が定番になってきました!

皆さんとの思い出が増えて、とてもうれしく思います。

さて、今日のテーマは「台風・地震災害」について。このテーマは浜松市委託日本語教室(ひらがな・カタカナ・漢字クラス)の共通項目になっています。

当法人ではこのテーマについての目標を「自宅近くの避難地・避難所について調べて、漢字で書こう」という設定を設けました。

その目標に向けて「静岡県『避難生活ガイドブック』」と、オリジナル教材を使って下記の通り、展開しました。

①気象庁のウェブサイト「キキクル」から、「危機」「来る」という語彙を勉強したり、そちらのウェブサイトに掲載されているピクトグラムから、台風や大雨時の災害の種類を覚えました。

先週配布した「避難指示のプリント(こちら)」と「キキクル」を照合して避難のレベルと色を確認したり、避難の種類(避難所以外でも避難できるところ)を考えました。

 

また、フィリピンをはじめとする複数の国の方が集まるようになりましたので、この機会をとらえて同じクラスの仲間の言語を尊重したり交流に結びつく時間を少しでも取り入れるようにしています。今回は「気象庁」という語彙を使って。

 

②地震については、学習動機としての導入に実際の震災時の動画を視聴し、感想を伝え合いました。(なお、動画はyoutubeで探したものになります)。

 

③「静岡県『避難生活ガイドブック』」の「やさしい日本語版」と「多言語版」の両方を配布し、必要箇所を読み合わせしました。とくに、「ひなん地」と「ひなん所」のピクトグラムを使って、漢字を勉強したり2つの違いを取り上げました。

学習者ごとに多言語版を合わせて配布したことが、学習者から好評でした。

④最後に講師複数名でそれぞれの学習者の住所を聞いて回り、「カナル浜松の防災」のウェブサイトから「地区」について検索し、災害の種類ごとの避難地を調べたり、「家が壊れた時に住む場所(やさしい日本語での表記)」である「避難所」を調べて、施設名を漢字で書きました。

静岡県『避難生活ガイドブック』」(p.21)に記入。

加えて、このような漢字教材を追加しました。

⑤今日の配布プリントや自己評価はこの「静岡県『避難生活ガイドブック』」に糊付けして、ポートフォリオとしてまとめました。ところで、「自己評価はたくさん書いてほしいので母語でもよい」と促しているのですが、「日本語で記入したい」という方もお見えです。日本語を使うのを楽しみにしてやって来てくれる場を提供できているのだと受け止め、感謝しています。みなさん、ありがとう。

*いつも、防災のことは分からないことが多かったけど、今日は少しわかってよかった。

*自分の家の近くの逃げる場所を知らなかったから、わかってよかった。

*このテーマは私たちにとって大切です。

 

さて、来週からはテーマが変わります。病院、薬局…と続きます。また、いっしょに勉強しましょう!

みんなで防災マップを作ったよ(バヤニハン日本語教室)

バヤニハン日本語教室(中区クラス)に、静岡文化芸術大学の日本語教育実習生が見学に来てくれました。またこの教室は、地域のボランティアさんや当法人のハロハロ教室卒業生も協力してくださっています。

こうした皆さんとともに、「防災マップ」作成をしましたのでご報告します。ご協力ありがとうございました。

私たちの意思疎通について、自己分析してみました

最近、浜松市内小学校4年生の総合学習において、「やさしい日本語」講座への登壇のお声がけをいただく機会が増えています。(浜松市UD講師派遣プログラム

いつも事務局からスタッフが出向いていましたが、来週初めて、当法人の教室活動に在籍している子どもたちを伴っていく予定です。

そこで、小学校の児童たちと、当法人に在籍する子供たちの互いの探求心や学びが合流するよう、どんな準備をすればよいか考えています。

直近で出向いた小学校の講座では、最後に児童たちに「今日はどうでしたか?」と聞いたところ、「フィリピノナガイサの人たちの様子が面白かった」「もっと知りたいと思った」という導入部分についての感想がけっこう聞かれました。

この日の導入では、当法人の子どもたちを連れて行けなかった代わりに、事務局スタッフが普段の活動の様子をスライドショーにまとめて紹介していたのです。

そっか。「やさしい日本語」講座以前に、小学生の子どもたちの探求心の種は「そこ」にあったのか!と知りました。

たしかに私たちの活動は、日本の小学生たちにとって不思議な状況かもしれません。近年はフィリピンルーツ以外の子どもが在籍することがあります。また、フィリピンという一つの国の中にも100以上の言語があります。日本人スタッフは英語やフィリピノ語が話せる人ばかりでもありません。バイリンガルの先生もいますが、年齢も様々です。関わる全ての人々が互いの言語、国籍、年齢などを超えて、意志疎通を最大限に「なんとか」しています。その「なんとか」のところが小学生にとって「不思議に思う」ということなのかも?!

ということで普段、「私たちは(子供もスタッフもみんな!)」一体どうやって互いに意思疎通をしているのか?できているのか?を自己分析してみました。

そうしたところ、こんなにたくさんのコツを出し合うことができました。ジャジャジャジャ~ン!

おしゃべりしながら、日々の活動を振り返って分析していきました。

・こういう状況の時あったじゃない?あのとき、意識していたことって何?→えがお、アイコンタクト、表情

・あの時、〇〇くんが△△くんをサポートしている姿をみたとき、私(講師)からはこんな風に見えたんだけど、〇〇くんはどうしてサポートしたの?→ともだちを助けてあげたいと思った。

・このクラスって新しい生徒がよく入ってくるよね。新しい生徒が来たら、どんなことに気を付けてる?→先生は、新しい生徒は知らないことがあると不安になると思うから、今までのこのクラスの情報を教えてあげて、他の皆と一緒にやれるように気を付けているよ。

他にも、「それは”知ろうとする”だね」「心配する…う~ん、”気にかける”っていう感じかな」…といった具合に、

自分たちの言動と感情をフィットさせた後、「日本語ではこうやって言うんだ」というマッチングをしたところで、

「みんなの”コミュニケーション”のアイディアをポスターにして、日本の小学生たちにも教えてあげてほしいんだ。いいかな?」とお願いしました。

そうしたところ、みんな一生懸命、表現してくれました♡

さて来週、このポスターと、「自分たち、ちょっとスゴイことしているかも」という自信をもって、小学生たちと交流しに行きたいと思います。

日々の日本語教室で勉強している「自己紹介」も、ノートを見ないで言えるようになり、準備完了です♪

・・・

知の循環型社会の実践。つづきは「こちら

自分たちだけのオリジナル!「漢字」ラップブックを作ったよ(浜松市地域日本語教育の体制づくり推進事業「週末浜北コース」)

浜松市地域日本語教育の体制づくり推進事業「週末浜北コース」は、ひらがな・カタカナの読み書きを終えて、先週から漢字学習に入っています。6月25日には基礎的な漢字の意味や筆順を勉強しました。

そして、7月2日は「天気・季節」についての漢字を取り上げました。本事業の対面版は浜北区ほか、このあと南区、東区会場と続きますが、この「天気・季節」は全クラスでの共通テーマになります。

地球規模で異常気象が続いており、とくに台風や豪雨については漢字学習に加えて、備えや情報提供が欠かせないものになっています。折に触れてこのテーマを思い出して見返したくなるような成果物を作れないか…。

そこで、本日の授業で使用したワークシートを最後に簡易ラップブックとしてまとめておくことにしました。

(「学びを見える化するラップブック」については昨年、神奈川県の成田潤也先生に教えていただきました(こちら))

皆にも「今日は自分たちで教科書を作っちゃおう!」と、このラップブックについて宣言して授業開始。

まずは天気に関する漢字を読んだり書いたりしながら、学習者間で役立つアプリ情報の交換などをしました。

ところで、下記ワークシート1番の答えは「天気」なのですが、日本語ほか5か国語で書いています。縁あって同じクラスに在籍している仲間の言語にも関心を持ってもらえるよう工夫しています^^(英語・スペイン語・インドネシア語・フィリピノ語・ベトナム語・日本語)

ワークシートを埋めた後は、天気に関する言葉を取り入れた挨拶練習をしてみました。そっけない天気を説明するだけの一文も、最後に「ね」を付けるだけで、意思疎通の機能を持たせることができますね♡

表情も大切にしながら。

次に、気象庁の過去30年分のデータから、「浜松市の1年間の平均気温・降水量」を、当法人スタッフがExcelでグラフ化してくれました。これを教材に使用しました(作成の協力、ありがとうございます!)。

グラフを読み取り、先週このクラスで覚えた漢数字を使って答えを書き入れることができました。

さて、「最も」という漢字ですが、「最高~」とか「最低っ」とかって感覚を、皆は生活の中で体得しているのではないか!?と思いませんか。クラスでは味気ない漢字学習とならないよう、学習者が自分で自分の思考にハシゴを掛けていけるようサポートしています。日常生活の日本語が出来る強みを生かしていきましょう!

というわけで、「最も」に値する言葉を、皆で出し合って赤枠に埋めました。予め学習者が答えるであろう解答を想定していたのですが(いちばん・すごく・とても等…)、なんと予想を裏切って「遠州弁」が出てきました!!

たしかに「ばか暑いら~」「ど暑いにぃ~」って言いますよね。参りました(笑)みんな、めっちゃスゴイ!

ほかにも、気象庁が発表する情報を使って語彙や漢字を取り上げ、これらを四季のシートに落とし込む作業を取り入れました。

 

(学習者の皆さんの成果物の写真を撮りそびれたので、次回、許可をいただいた後、いくつか掲載させていただきます。今日は講師作ですみません)

最後に、各自、好きな色の画用紙を選んで…

思い思いにシールなどでデコレーションし、

本日のワークシートと、皆さんの母語に合わせた「避難指示」のプリント(内閣府防災情報のページこちら)を配布し、それも中に綴じていただき、

オリジナルラップブックの、完成で~す♪

最後、駆け足になってしまいましたので、来週もこちらのワークシートを振り返りや発展に、使っていきたいと思います。

みんな、忘れないで持ってきてね。

 

Maraming salamat po.

Terima kasih.

Gracias.

ありがとう。