学習者の皆さんのニーズの一つに「きれいに書きたい」というのがあります。

しかし、よく考えてみると「きれい」というのは見たり感じたりする人の主観に左右され、追求するのは難しいです…

講師から見ると、どれもきれいに見えますし、ちゃんと読める字で書かれていると感じます。

このクラスでは教材やプリントをたくさんお渡しし、板書でコツを説明もいたしました。あと大事なのは、自己評価による自己効力感が背中を押すことかなと思います。

「そっか、私はここを揃えていなかったから、バランスが悪かったんだ!」「ここをもう少し長く書けばよかったんだ」と言いながら。見本と自身の字を見比べて、各々、納得のいくように直しています。個人が納得して書いた字を、しっかりと認めてあげることも、このクラスの重要な役目になっています。

また、クラスの仲間と書いた文字を比べて、アドバイスし合うことも自然発生的に始まっていて頼もしい限りです。

(「トメ・ハネ・ハライの「ハネ」は、アルファベットにはない感覚だけど、『チェック』のペンの動きで再現できるよ!」というやり取りも。なるほど!!)

いっぽうで、みなさんのこうしたニーズの背景には、「私たちの社会が、過度に読み書きを求めている可能性がある」ということを示唆しているのかもしれません。

日本語学習の機会を提供しながら、後者のような課題を社会へ働きかけることも、当事者団体としての当法人の使命となっています。

この教室は、今日から8月6日まで続きます。