先日、とある高校(定時制)から、「やさしい日本語」に関して出前講座の要請を受け、行ってまいりました。
あたりはすっかり夜です。

この日の生徒は高校1年・2年生、あわせて30名。なかなかの大所帯です。
さっそく生徒の皆さんに、「”やさしい日本語”っていう言葉を聞いたことある人いますか?」と聞いたところ、みごとに、ゼロ!!!(想定内、やりがいありますね)
さぁ、今から2時間で「やさしい日本語を使ってみたい!」という段階まで持っていきますよ~
普段はあまり「やさしい日本語とは」という説明をしないのですが、今回は高校生ということもあり、少し社会学習の要素も取り入れました。そのため、「やさしい日本語」の誕生背景についてお話いたしました。皆さんもご存じの通り、阪神淡路大震災のときに外国人の被災者が多かったこと、日本語も英語もわからない外国人が実はたくさんいたこと。
でも、日本語をちょっと工夫するだけで外国人にもわかりやすいものになること。その後、さらに観光・行政・多文化共生分野にまで広がって今に至ること。
話を聞くばかりではつまらないと思いますので、動画でイメージを確認してみましょう♪
①やさしい日本語ツーリズム研究会の動画「やさしい日本語にはゆめがあります」
でも、実際に日本語を使って外国人と話をするってどうやるの???に答えるためにもう1本!
②静岡県の動画「話そう、やさしい日本語。」
要点をワークシートに埋めながら、聞いてください。動画は書くスピードに間に合わず、どんどん進んでいきます。でも大丈夫!今日は30人もいますから、聞き逃したところは後でみんなでシェアしましょうね^^では、どうぞ~


「やさしい日本語」の要点でもある「はさみの法則」を講義で補足し、後半はワークに挑戦!
ワークは、ご依頼主様に合わせて、内容を変えています。今回は「知らないことを聞き続けるのは、日本語でもよくわからない」というリアル体験をどのように教室に持ち込むか…を、念入りに考えました。

このあと、今年の「流行語大賞2020」にノミネートされた用語から、好きなものを選んで「やさしい日本語」に変換するというワークをやってみました。
学校と生徒の許可をいただいていないので成果物をお見せすることはできないのですが、ワーク中は皆がいろいろ話しかけてくれました。
「箇条書きにしたほうがいいですか」「この、言葉を選んでもいいですか」「できました。これ、どう思いますか」「うちのタマ知りませんかについて、私も書いてみていいですか」などなど。
ところで、こうして見回っている際に、ある生徒がメモしてくれた言葉に目が留まりました。実は時間があったら最後に今日の振り返りをしたいと思って、設問を残しておいたのです。
気づいたこと、感じたこと、疑問に思ったことを書いておきましょう
この空白に、「なんか、すこい!」と。ビックリマーク付きで感想を書いてくれていた子がいたのです( ゚Д゚)

これを見て、心から「今日、高校へやって来てよかった」と思いました。「やさしい日本語」を全く知らなかった子が本講座を受けて、どこをどう「なんか、すごい!」と思ったのか、聞いてみたかったです。
次回機会があって、またどちらからかご依頼を受けた際には、こうしたところを深めて、皆さんの記憶に残るよう努めたいと思います。
最後は、静岡県からお預かりしていた「やさ日富士夫くんバッジ」を生徒の皆さんに差し上げました。
富士の裾野のように「やさしい日本語」が広がりますように。