「やさしい日本語」は、難しいというワーク体験が肝?!

木曜日、積志中学校の福祉講座にお声がけいただき、当法人からスタッフ2名で「やさしい日本語」をお伝えしてきました。(21人×2セット)

事前に中学生たちからは、いくつか質問を受けていました。たとえば、

・フィリピンでも通じる日本語は何ですか

・日本に来て驚いたことは何ですか

・日本の生活で、困っていることはありますか

など。

こうした質問にフィリピンの若者が動画で回答し、授業の導入で流しました。

「この子は今年、来日したばかりだけど、ひらがな・カタカナは読み書きできるし、アニメが好きで、こんなに上手に日本語も話せるよ」「この子は、どうしてこんなに日本語を一生懸命勉強しているのかと言うと、日本人の同世代の友達が欲しいんだって」と伝えながら、「やさしい日本語」での意思疎通を中学生たちにイメージしてもらいました。

ところで、「やさしい」には漢字が2つあるのですが、中学生の皆さんはわかるでしょうか。「優しい」と「易しい」ですね。

この2つを理解してもらうため、静岡県「話そう!やさしい日本語(動画)」を見て、ワークシートの穴埋めをしました。今日は21人いるので、仮に聞き逃したとしても、ほかの誰かがメモしているかも?!みんなで協力して、動画を見てね!と言いながら。

さあ、「やさしい日本語」の「優しいマインド」と「易しいコツ」をイメージできたところで、皆さんもワークをやっていきますよ。ワークの素材は、中学校のHPからお借りしました。

まず、ちょっと読みますので聞いてくださいね。

↓↓↓

積志中学区の校区は1957年10月1日,浜松市に合併するまでは浜名郡積志村といいました。その積志村のしるしが小学校,中学校共通の校章として用いられています。積志村は1908年,有玉村,中郡村,小野田村の一部半田町が合併してできました。 三つの村が志を一つにして,協力して立派な村づくりをしようという気持ちから「積志」の名が生まれ,その志を三つに組み合わせ,ゆるぎない三角形を構成したのです。 また,全体の輪郭は水仙の花をかたどり冬の寒さに耐えて清らかに咲く花のようにありたいという願いが表されています。

…さて、これは何の話だと思いますか?

(中学生、固まってしまいました^^;)

では、今、読み上げたものを段階を追って、紙で渡しますね。

2、3、4だったら、どれが読みやすいですか?先ほど紹介したフィリピンの友達だったら、どうでしょうか?

ところで、これ、何の話でしょうね???正解は、

積志中の「校章」でした。こうやって、フォントや行間の工夫、ふりがなやイラストも付けると、理解の助けになりますよね。ここまでは皆さんが、小学校の総合学習で「ユニバーサルデザイン」として勉強してきた視点かなと思います。

 

今日はここからもう一歩先、これを「やさしい日本語」に直してほしいんです!そのワークに際してお願いがあって、まず、

・3人で1チームになってください。みんなで、やさしい日本語に直します。

・それで、一人1つ、役を担当してほしいんです。一人はポスターを書く人、一人はポスター制作について、「うちの班は、『やさしい日本語』に直すとき、こんな工夫をしたよ」という工夫点を付箋に書く人。もう一人は、最後に発表する人。だから、今日は誰もサボれません(笑)完成したポスターは廊下に貼ってもらうように先生にお願いしたので、みんながんばって時間内に仕上げてください!みんな、できそう?

(ざわざわ…えー、貼るの?どうしよう、急ごう)と言いながら、子どもたちはさっそくワーク活動に吸い込まれていきました。

目標は20分でしたが、どのチームもあまりに議論が白熱していたので、途中で止めるには忍びない…ということで、20分追加の合計40分^^;

ワーク中、子どもたちがどんな議論をしていたか、耳をダンボにして聞いてきましたので下記、ご報告します。

・1957年10月1日とかって、要らないよね?「昔」でいいよね?

・村の名前、わざわざ全部挙げなくてもいいと思わない?「3つの村があった。それが合併した」ってことだよね?

・でも、「合併」っていう言葉が難しいと思う。

・「校区」も言い換えたほうがいいよね。

・あと、「校章」も、わかりにくい。

・志…、「気持ち」でいいじゃん。

・先生、「ゆるぎない」って何ですか?!

(すみません、私もこれ、「やさしい日本語」が思いつきません(笑))

・自分たちが分からない言葉(先生も分からない)は、きっと伝えてもわかんないよね。無理に言い換えるのやめて、この部分カットしよ!ほかのところでカバーして説明するしかない!

・水仙の花を「かたどり」が難しいから、「イメージして」に変えちゃおう。

・「清らかに」は、「きれいに」はダメ?

・清らかにさく花のようにありたい…「何これ?」。ありたいじゃなくて、「なりたい」のほうがいいと思うんだけど。

***

こうして出来上がった子どもたちの成果物はコチラです!!

 

★「3つの村が協力している様子」がイメージできるよう、村を擬人化(笑)

★文章を書いた後、「まだ読みにくい」と感じて、文章にアンダーラインを引いた班。「見やすさの追求、工夫」を諦めませんでした。

★最後、時間切れになったけど、「三角形」が分かりにくいと判断して、急いで「さんかく」と書いてフィニッシュ!(おつかれ^^)

★「合併」を「1つになる」と表現しました♡

★何についての話か、先に伝えたほうがいいと思って、見出しを付けたようです。

★「校章」を「マーク」と言い換えました。

★水仙の花はどんな花かよくわからないけど、冬の寒さに耐えている花を描きました。

★文章の全体内容を読み解き、ニュアンスを伝える工夫をしています。

★言い回しを変えて、表現をスッキリさせました。

★立派な村→「すごい村」!!!(笑)メラメラの炎もいいね^^

★ふりがなをつけたんですね。

★校章のどの部分を指しているかを矢印でつないだんですね。

★努力の跡

 

***

できたチームは、工夫したポイントの付箋も前に貼ってね~

貼るときはほかのグループのものを読んで、「これ、近いな」と思う意見の近くに貼っていってね。

貼りに来る方法まで指示したわけではないのですが、3人1チームで前に貼りに来てくれたところが多かったです!(高校生ウルトラクイズを思い出します)

さて、発表です。残り時間はないけど、シェアしましょうね^^

発表係の人、「うちのチームは特に、ここがアピールポイントです」というものを”1つ”選んで、発表してください。

これでワークは終わりです。おつかれさまでした!ワーク、みなさん、やってみてどうでしたか?「やさしい日本語」は簡単だと思った人、手を挙げてください。

 

し~ん…

 

この反応は、とても正直だと思います。そうなんです、「やさしい日本語」って簡単って言いながら、難しいんですよねぇ。でもこの「難しい」という感想が実はとっても大事なことなんです。皆が「難しい」と感じたのは、きっと頭の中に色々な人をイメージできたってことなんだと思いますよ。ビデオには、「目の前にいる人とどうやったらもっと話せるか、それを考えるのが『やさしい日本語』です」というのがありましたね。自分の持っている引き出しの中を探しまくって、こういう言葉なら通じるのかな?でも、これで通じない人がいたらどうしよう?って、その度に言葉を選びぬいて。仲間の出した言葉にも敬意を払って、チームで一つの言い方を決めてポスターにしてくれたんだと思います。たくさんの言葉をいつでも出せるための、エクササイズをしておいてほしいんです。

そうすると、皆さんはきっと、たくさんの人に思いやりを持って接することができると思いますので、「やさしい日本語」のことをこれからも忘れないでくださいね。

最後に、静岡県「やさ日富士夫くん」バッジをプレゼント♡

さらに、「在日外国人はこういうのを使って日本語を勉強しているよ」ということで、「つなひろ(文化庁日本語学習動画サイト)」のパンフレットを差し上げました。

 

~翌日~

積志中学校のご担当の先生から、写真付きでうれしいご報告を頂戴しました。生徒たちが作成したポスターを、すぐ廊下に掲示してださったそうです!活動に参加していない、他の学年の子どもたちにも見てもらえますね。そして、「良い経験になった」と言う声が多く聞かれたので、ぜひまた来年もお願いしたいとおっしゃっていただきました。

今、積志中には、このような掲示コーナーがあるそうです♪

Maraming salamat po.

ありがとうございました。