11月5日、今年度も公開講座(日本語教育に関わる人材の養成・研修)が始まりました。この講座は当法人が文化庁より委託を受け、共催・浜松市、後援・(公財)浜松国際交流協会HICEで実施するものです。

この日は「『地域』日本語教育が目指す人物像とは」と題し、岩手大学国際教育センター教授・松岡洋子様、浜松市国際課・古橋広樹様にお話を伺いましたので、下記の通りご報告します。

 

★浜松市国際課・古橋広樹様

・浜松市の概要(浜松市の地理的な特徴や都市としての魅力、浜松市が調査した外国人市民の状況などから見えること等をお話いただきました)

・地域日本語教育推進方針について(日本語学習機会が公的保障されていない身分に基づく在留資格者を主とした施策推進、活動に基づく在留資格者への生活者として必要な日本語学習支援の効果的な方策の検討についてなど、お話いただきました)

・浜松市の日本語教育施策について(参考

・日本語教育に携わる人材の養成について

・NPO等と連携した日本語教室について(市内協働センター3会場において、日本語学習初心者を対象とした、ひらがな・カタカナ・基礎漢字を集中的に学習する市日本語教室入門クラスを開催/協働センターでの地域日本語教室開催に当たり、団体との協働・連携による地域共通で使用可能なカリキュラムや教材等を検討/市としての地域日本語教育推進の方向性を関係者間で共有した上で、各団体のこれまでの経験やノウハウを生かした、地域として一体感のある持続可能な教室を目指すことなど、浜松市の取組のご紹介がありました)(参考

 

★岩手大学国際教育センター教授・松岡洋子様

・わたしたちの「地域」は、どんな「地域」?(エビデンスなどをもとに、自分の暮らす都市や街の特色を把握する意義についてお話いただきました)

・「地域」で日本語教育をする意味(そもそも「日本語教育」とは?何のための移住者の第二言語教育か?ということを、海外の事例を交えながら考えてみました)

・「地域」日本語教育人材ってどんな人?(①移住者のための日本語教育が出来る人材/②相互理解を働きかけるコミュニティづくりができる人材/③言語・文化を調整しながらコミュニケーションとしての日本語教育ができる人材→①~③すべてわかっていて仲介役になる人、いずれかができるという立ち位置を担う人がそれぞれ必要というお話を、お聞きしました)

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古橋様と松岡様のお話を受けて、参加者のご感想の一部は次の通りです。

★豊富な事例と本音の問題意識を共有していただいたことで、日本語教育に携わる意欲がさらに増した

★地域の日本語教室が置かれている状況についてよく理解できた

★地域に関わってほしい人物像について、大胆に言ってもらえてよかった

★講師陣が本音をお話くださったので、説得力があり納得できた

★浜松市は地域と連携して、日本語教育人材とボランティア養成の両方を本当に力を入れてやっているということが、よくわかった

★他国の言語政策・移民政策の事例を交えながら、クリティカルに指摘されていたのでとても勉強になった

★地域での日本語教師は単に日本語を教える存在ではなく、地域で共生する存在としての「受容性」を認識しました

★もっと広い視野を持って、日本語教育に携わる必要を感じた

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こちらを皮切りに、本シリーズ講座は1月21日まで続きます。引き続きどうぞよろしくお願いします。