当法人は6月、毎週土曜日全4回、浜名協働センターにおいて「バヤニハン日本語教室」を展開して参りました。おかげさまをもちまして、6月26日に終了しましたのでご報告します。

 

さて、最終回のテーマは「防災」。かねてより「浜松市の各区ごとに、定住外国人向けの防災教室があってもいいくらい」と行政に声を上げてきたことが、少しずつ形になっています。

昨年に引き続き、浜松市から日本語教室(文化庁・地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業)として浜北区をお任せいただいているバトンを受け取る形で、当法人が同地区に教室(文化庁・「生活者としての外国人」のための日本語教育事業)を設置することで、この「防災」を取り上げることを今年度の特色にしています。

「ことば」を扱い、学ぶ教室の特性として「防災」を扱うのにできる視点はなんだろうか…と考えるのですが、ふと、出入国在留管理庁が監修している「生活・仕事ガイドブック(やさしい日本語版)」の赤い字で書かれた箇所に目が留まりました。

各所に「日本人に○○と質問します」「日本人に○○と言います」と書いてあります。このことから、災害への備えや知識、情報提供を重視するのはもちろんのこと、地域日本語教室の役割を改めて感じます。

そこで一層、災害時の意思疎通をイメージしやすいよう、今回初めて言葉の勉強の前にワークを一つ付け加えました。

場所ごとに、近くの日本人について想像してみましょう。具体的にお名前がわかる場合は「~さん」「~せんせい」と、覚えたひらがなでメモします。

いえのとなりの「えまさん」、かいしゃの「ひらたさん」、ようちえんの「たなかせんせい」など。

スーパーなどでは「店員さん」に派生させてもいいと思います。自分の回りの日本人を思い出して、クラスみんなでシェアしましょう。

ほかに、こんなワークも。

コチラの動画を見ながら、大きな地震を自分ごととしてイメージしてもらいました。

そのあと大地震の際、場所ごとに自分の身を守れそうな「もの」に、どんなものがあるかを考え、ワークシートにメモしておきました。

寝室なら「ベッド」、リビングなら「クッション」、にほんごきょうしつなら「ざぶとん」「つくえ」「いす」。道路なら持っている「カバン」、アピタなら「かいものかご」など。こちらも覚えたひらがな・カタカナを使って書き留めます。

「『かいものかご』なんてかぶって逃げて、お店の人にに怒られない?」と心配する声も聞かれましたが、滞在年数の長いスタッフが「大丈夫!ちゃんと後で事情を説明して返せばいいんだよ」としっかり伝える姿は、さすがです)

ところで、この「くるりん」と丸まっているものは「だんごむし」です。クラスには地元幼稚園からの紹介で通っているママたちもいるので、お子さんを守るときは「だんごむしポーズで」というお話をしました。お子さんがいざというとき過剰に怖がらないよう、こうしたポーズを日々の遊びの中に取り入れてもらうのも良いとおもいます。

 

そのほか地元の方から、住所とは別の「地区」を教えていただきました。

最後は、このクラス以外にも継続学習ができるようほかの教室や次回お知らせをして終わりました。みんなで次回教室のチラシを持ち、再会を約束して終わりです。

名残惜しくて、みんなとお開きまで時間がかかりました(;;)それだけ、新しく良い出会いがこの地区に生まれたことを心よりうれしく思います。

Maraming salamat po.

フィリピノナガイサは、3か月後にまた浜北へ伺います♪