こんにちは。11月の割に、暖かい日が続いています。

さて、少しご報告が遅くなりましたm(__)m

11月14日(土)静岡市主催「多文化共生サポーター養成講座」にて「やさしい日本語の情報発信と意思疎通」というタイトルで講座を担当させていただきました。

静岡市のこちらの講座、とてもすてきなんです!まず、ご担当の国際交流課職員の皆様が熱心でいっしょうけんめい(これは、ものすごく大事なこと)!地区ごとの特性や共生社会に関する困りごとも把握されていて、そのためこの講座を立ち上げる必要を感じて実施していらっしゃるとのこと。そして、カリキュラムは在住外国人の声を反映するような構成にしてあること。また、講座に自治会長さんが複数名、自主的にご参加されていらっしゃること。などなど…

さて、このようにお集まりいただいた方々に、当法人からは次のことをお話申し上げました。

①プロローグとしてコロナ禍におけるフィリピンの皆さんの情報収集状況について。(「やさしい日本語」は様々に工夫されて出されていたけど、実際にはそこから情報を取る人は少なかったこと/大使館や同胞仲間による発信から情報収集していたこと)

②それなら、「やさしい日本語」はいらないんじゃない?ってことではなくて、どのように「やさしい日本語」が機能したかというと…。日本人の友人がいると、公的機関が出した「やさしい日本語」をいっしょに見ながらサポートしてもらったり、「情報がここにあるよ」と教えてもらえること。

文化庁の実施した調査によると「やさしい日本語」は普及していないようで、今日はいっしょに普及する活動のアイディアを共有したいこと。

③実際、どうやって外国人の困っていることをキャッチしたり、役に立てるの?ということで、これまで当法人が実施した「やさしい日本語などの意思疎通」による交流の活動事例をご紹介しました。

外へ出て、日本語を使ってやってみることで自信につなげたいという思いで実施しています。また、出かけてみると想定外の発見もあり、次の授業の組立に役立ちます。
外国人にも日本人にも共通する「生活」というテーマを軸にして、同じ場に参加者をセッティングすることもあります。また、これもやってみるとわかりますが、「ご愁傷様です」は舌が回りにくいので「このたびは、大変ですね」に変えてみるよいとアドバイスしたとか、医者に「舌をベ―っと出して」と言われても「べーっ」がわからないのでノーリアクションだったとか、そんなこともありました。
外国人はいつも教わるばかりではななく、「いっしょにやりませんか」と日本の方々にお声をかけて交流が深まった事例です。
言語としての日本語にこだわることなく、地元の方が一生懸命その土地の良さを学習者に伝えてくださったり、反対にジェスチャーで「いっしょに写真を撮りたい」と地元の方に学習者から伝えた事例です。
外国人と接点を持ったことで、日本の方もご自身の使われる日本語に意識が向いたという事例です。
日本語学習者に毎回、「お土産」になるものを渡せることを意識しています。それは教材としてのプリントだったり、ゲストにお願いするノベルティであったり、「フォトジェニック」だったりします。それらを見て、授業や交流を思い出してもらえればと思っています。

というわけで、当法人からはネタを出し尽くしましたので^^;あとは、受講者の皆様にグループワーク活動をしていただきました。

「着付け体験会」「祭り体験」「子育て世代を集めて、絵本読み聞か会」「お酒を酌み交わしながら、自国の言葉を教え合います」などのアイディアが出ていました。

以上、ここまでが第一部でした。

次の第二部は留学生の皆さんが「日本語で分かりにくいこと」を発表なさいました。静岡市は留学生が多いのも特色ですね。彼らのお声、ほんのごく一部ですが、ご紹介します。ぜひ下記、お読みいただきたいです!

ホテルフロントのバイトで、マニュアルには「よろしゅうございますか?」と書いてあったので、そのまま使った。でも、実際にそんな言葉を使う日本人はいないみたいで、マニュアル通りと実社会の言葉のバランスの理解が難しい。
サークルで先輩が自分のことを「○○ちゃん」と呼んでくれているので、自分もしばらく「●●ちゃん」と先輩のことを呼び続けていた。ある日、同級生から「先輩には”さん”を付けて呼ぶんだよ」と言われた。日本は社会に出る前の学校生活なのに上下関係があるんだと驚いた!
「ヤバイ」という言葉がやばい!!!初めて「ヤバイ」の言葉を聞いたのは「あの服、やばくない?!(ダサいの意味で、マイナスイメージ)」。次に聞いたときは「この料理、超ヤバイ!(おいしいの意味でプラスイメージ)」どうして、同じ言葉なのに逆の意味があるの?「やばい」と思う!!(笑)

あまりにチャーミングな留学生3人に、すっかり皆がファンになってしまいました^^スリランカの留学生は最後にこのように言ってくれました。「私たちの日本語の言い間違いや聞き間違いはそんなに深刻ではない。笑えるものばかり。それって、学校や職場のスパイスみたいなものでしょう?」と♪

第三部は「自治会加入のお知らせ」の「やさしい日本語」リライトに挑戦。このあと本当に地域で使うものらしいです。とても実践的なワークですね。

しかし、元の文章を見たところ、リライトの難易度が高い(^^;)

ご参加者の皆さんとともに、悩んでまいりました(笑)

最後は、静岡県からお預かりしていた「やさ日富士夫くん」のバッジをご参加者の皆様に差し上げまして、講座を終えました。

たまに別の地区にお出かけしますと刺激を受けて勉強になります。このたびお声をかけていただきました静岡市国際交流課さま、どうもありがとうございました。Maraming salamat po.