本日、オンラインにて公開講座

 

外国にルーツのある子どもたちの教育環境

(浜松市の場合)

 

を実施しました。

 

お申込み段階で、

 

うちの地域も

フィリピン人が増えてきているんです…

 

というお問い合わせを、

全国よりいただいておりました。

 

そうした方々にこの講座をお届けする機会になり、

よかったです。

 

実際、ご参加者の皆さまから、

講座中はチャット機能を使って、

活発にコメントを寄せていただきました。

 

また内容に関連して、

「ここに、こんな情報がありますよ」と

関連リンクを貼ってくれる方もいらしたりして、

 

参加者の皆さまとも情報共有しながら

進めることができました。

 ありがとうございました。

 

さて、この講座の目的は、

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です。

 

そのために、

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を、当法人の代表理事、

松本義一よりお話させていただきました。

 

浜松市教育委員会が出している

児童生徒の状況(人数)を見たり、

 当法人の活動から見えることや事例を

お話しました。

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2009年から私たちの活動は

「ハロハロ教室」を皮切りに

「出口」を見つけながら活動してきました。

 

フィリピノナガイサはフィリピン人たちのための、

日本社会の入口として、

いつも窓を開け、受け入れていたからです。

 

近年、「就労」という出口設定になりましたが、

ここに至るまで、

ハシゴを掛けながらの活動です。

 

おかげで事業数は相当増えましたが、

どれも必要があり、取り組んだものになります。

 

ところで、このハシゴの途中で、

色々なバックグラウンドの生徒を

受け入れるわけですが、

 

その来日時期は

年少者から学齢期超まで多岐にわたります。

 

というわけで、

家族形態・来日年齢や時期が与える影響も整理する

必要があります。

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日本語力や学力はもちろんどの教育・支援現場でも

重点に置いていると思いますが、

実は「子供と保護者との関係」が

進路に大きな影響を与えている…

という点を見過ごすわけにはまいりません。

 

よく支援の現場で、

「親が子供の教育に無関心」という声と

課題を聞きますが、

 

フィリピンの子供たちの背景というのは、

単一ではないので、この点がまず配慮するところです。

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とくに高校受験については、

用意しなければならない書類がいくつもあります。

 

また、入学後もまだまだ

親の関わりが必須になります。

 

けれども家族形態によっては、

両親ともにフィリピン人ということもありますし、

実父ではない場合、協力が乏しい場合もあります。

 

そのため、保護者の状況把握は必須なのです。

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実際、私たちが保護者にアクセスするときには、

バイリンガルスタッフの力が大きいです。

この点はフィリピノナガイサの強みになります。

 

 ところで、子供が進学したというお宅は

保護者がどんな心構えだったか?

本人がどんな心情で、どれだけ努力をしたか?

など、気になりますよね。

 

実際のケースもお話しました。

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あわせて、

定時制高校に進学した子供たちの実際の声も、

一例をご紹介しました。

 

 「日本語力不足の痛感、自覚」

と言った声が目立ちます。

 

・高校で日本語を勉強したい

・高校卒業後、さらに進学したかったけど、

 日本語が難しいからあきらめた

・高校進学したら「いいこと」があると

 思っていたけど、

 中卒の子とあまり変わらない仕事をしている。

 高校卒業って何だったの?

 

これから高校生になる子どもたちについては、

まだ改善の余地がありますが、

 

すでに社会へ出ていったこのような子供たちに

私たちが用意できるメニューというのは

どんなことだろうか…

 

当法人では

「学びなおし」の機会に目を向けています。

 

学齢期を超えて所属先がなく

(学校も仕事もない)、

社会に埋没しないように。

 

そこで昨年から就労支援としての

「職業訓練」をスタートさせました。

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ここでお伝えしたかったこととして、

私たちの団体はあくまでも、

正社員がいい、正社員じゃないと悪い

ということではなくて、

 

仕事の選択肢、または情報がそもそも少ない中で、

渋々日々過ごしている…

ということが問題であって、

 

広げられた選択肢の中で、

「自分で進路を選べる」「選ぶ力をつける」

 

これを大事にしているということでした。

 

講座のゴールは悩みましたが、

フィリピノナガイサならではのメッセージで、

締めくくれたと思います。

 

本日のまとめです

・子供の年齢や来日後の状況により、

 支援の層は多岐にわたる

・来日前の状況と来日後の事情の把握をすること

・所属先がない(学校も仕事もない)という年齢に

 差し掛かっており、

 社会の中に埋没しているケースもある。

・社会の中にも所属先がない(仕事がない)

 場合でも、「職業訓練」のような形で

 「学びなおし」できる時代

・日本語教育をする分野を

 「学びなおし」にも広げることで、

 社会からこぼれ落ちるのを防ぐことが大事

 

最後の「学びなおしでの関わり」は、

これからの支援における新規追加として、

動き出しています。