新生活、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今年度は5月12日から教室をスタートします。
その間、昨年度の記事でこのホームページを埋めていきます。
今日は3月10日に行われた、「調査報告会」の報告を記載します。
当日は、多くの方々に関心をもってご参加いただきました。
この調査の概要は次のとおりです。
①企業向け調査
概要
・目的:浜松市内に拠点を持つ企業における外国人雇用の実態と今後の採用計画、外国人への期待を明らかにすること。
・調査対象:一般財団法人・静岡経済研究所発行「2017年版 静岡県会社要覧」から以下の3条件で抽出した311社。
①浜松に拠点を持つ、②従業員数20人以上、③製造業、農林・水産養殖業、鉱業、建設業、輸送業、飲食店・宿泊業、医療・福祉・介護、教育・学習支援業。
・調査方法:郵送法。紙媒体の調査票を郵送し、ファックスで回答を返送してもらいました。
・回収:311社中187社(回収率60.1%)
②フィリピン人調査
概要
・目的:浜松市内在住のフィリピン人がそれぞれの能力を生かして仕事をできるよう、彼(女)らが持つ能力や希望する職種を把握する。その上で、日本語や職業訓練等のニーズを把握すること。
・調査対象:浜松市または近隣の市に住む15歳以上のフィリピン人。永住、定住、日本人の配偶者等など、定住できる資格を持っている方(技能実習生、留学生は対象外)。
・調査方法:対面的記入法、留め置き法(紙媒体の調査票をフィリピン食材店等に置かせてもらい、後日回収に行く)。
・調査票の言語:フィリピノ(タガログ)語。
・回収:231票(うち有効票215)
この調査の結果について、静岡県立大学国際関係学部の高畑准教授からご説明がありました。
・今回の調査回答者は永住者の女性が多かった多かったこと
・半数近くが日系人だったこと
・今の仕事への就職経路は、知人や家族の紹介が圧倒的に多かったこと
・調査回答者のうち37.6%の人が普通自動車免許を持っていること
・自身の日本語に対する評価は、聞くことはできるけど、話すことは苦手。読み書きはもっと難しいと感じていること。
などが話されました。
次に山川様(杉田工業株式会社)からは、
「製造業における外国人雇用の重要性~チームプレイのためのコミュニケーションの必要性~」
というタイトルで、
日本語のみならず、日本社会の慣習や数字の概念についても理解している人材でないと、
現場では難しいと感じていること。
また、そう言いながらも日本人が求人に集まらなくなっているので、外国人従業員の取り込みも必要になっていること
など、現状をお聞かせくださいました。
社会福祉法人天竜厚生会の横溝様からは、
EPAと定住者の雇用環境の違いから、定住者の雇用については長く雇用してもらうためには自社でのケアが必要であり、
その実際の取組事例や工夫点についてお聞かせくださいました。
三幸運輸倉庫株式会社の福田様からは、
実際にブラジルの若い従業員の夢(「アサイーというブラジルの飲み物を、日本にも広めたい」という夢)を会社がサポートしたことで、
一人前として育てていくことができたし、そういう人材が会社にとっても即戦力になっていったという実例をお話してくださいました。
最後に当法人の松本からは、フィリピノナガイサの概要、取組について話をするとともに、会場からの質疑に答えていきました。
・・・・・
来場者アンケートから、この調査報告会に関して反響の一部を下記、記します。
・製造業、福祉、運輸、NPO、大学教授の話をバランスよく聞けた。
・「経営する人間が文化、言語を理解し歩み寄ることが大切」という言葉が印象的でした
・地元企業の受け入れ態勢の実際が見えてよかったです。
・企業様の具体的な事例を聞けたこと。取り組まれていること、課題をリアルに感じられたことが良かったです。
・ 三幸運輸倉庫の福田社長の話は大きな気付きをもらった。また、松本さんの話から、フィリピノナガイサの活動の広さを感じた。
・ 調査結果から企業とフィリピン人のギャップを知ることが出来た。
・ 貴重な資料と現場の声を知ることができた。
・ 企業の雇用状況などが分かった点。高校と企業の交流が期待できた点。課題や今後の方向性を共有できた点。
・ わかりやすい話で良かったです。
・ フィリピン人の現状がよくわかった。
ご登壇者の皆様、会場にお見えいただいた皆様、本調査への回答に協力をいただいた皆様、本調査を検討するための委員の皆様、ご後援をいただいた静岡県と浜松市、会場設置をしてくれたスタッフの皆、どうもありがとうございました。
当法人としましては、得られた結果を次の活動に活かして参りたいと思います。