浜名2期 終了しました(ご報告)

このたび10月23日に、「浜松市における地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」第2期が終了しました。今期はフィリピンの方はじめブラジル、中国、ドイツの方がご参加になりました。

ところで「生活者としての外国人」で、「ひらがな・カタカナに全く触れたことがありません」という方は、ほとんどいらっしゃいません。

生活の中で少なくてもご自身のお名前をカタカナで書く機会はあったと思いますし、日ごろの生活で日本語を目にしない日はないのではないかと思います(家の外へ出れば、日本語の文字があふれています)。

「ひらがな・カタカナの読み書きができるようになりたい」と考えている方は多いのですが、「自主学習する時間がない」「覚え方がわからない」ということから、ひらがな・カタカナを体得する機会を逸して現在に至る方や、「日本語レベルは初級だ」と、自他ともに思い込んでいるケースも少なくないように思います。

そうした背景に配慮しながら、「エクササイズ感覚」で文字学習のコツをつかめるような機会を提供しました。

下記、そのご報告です。

①五十音表の仕組みを理解しよう

「これまで自分で五十音を書いてみたことはある、五十音の順番も知っている」という方は多いのですが、次のポイントを抑えていないことで、ひらがな・カタカナを覚えられずに苦労している人が多いです。

・五十音は基本的に「子音+母音」の組みあわせであること。これに文字が当てられていること。(「ん」は特別)

・子音と母音の組み合わせだけど、サ行(S)とタ行(T)では、「し」「ち」「つ」の発音は注意が必要であること

・母語との比較から、アルファベットで覚えたい人も国によって音が違うので確認が必要

・拗音は「イの段+や・ゆ・よ」の組み合わせであること。これには皆、「へ~」と言っていました。この驚きの背景にはこれまで、あてもなく拗音を丸暗記していたことが伺えますので大変だったと思います。音と文字の仕組みを知ることで記憶の負担軽減になればと思います。

 

②文字を覚える

五十音の読み書きについては、ドリルにひたすら書き綴ることをしませんでした。先に五十音の文字カードを学習者自身がハサミでバラバラにして、それを順番に並べ替えました。(なお、この文字カードは自宅学習にも役立ててもらいました)

この作業の狙いは、自然と心の中で何度も「あいうえお、あいうえお…」「かきくけこ、かきくけこ…」と唱えながら並べ替えることで、母音の語順を身に付けられることでした。

行ごとに語順が理解できると、動詞Ⅰグループの活用変化を理解する際の助けにもつながっていきます。こうして、サバイバルで身に付けた日本語をいつでも整理できるような準備をする…、冒頭申し上げた「エクササイズ」という表現につながっていきます。

ところで、並べ替えができたということは、音と形が一致したということでもあります。ここで初めて、練習帳に文字を書き込んでいきました。練習帳は書き順が示されているのでそれに倣って書いていきます。

(浜松市作成「ひらがな・カタカナ練習帳」を使って)

各自の進度に合わせて、ひらがな・カタカナの五十音の文字の読み書きを進めていきました。

 

③特殊音との向き合い方

母語ではない日本語を学ぶ難しさの一つに特殊音の存在があります。「災害に関する語彙や表現」を使って、日本語の音の要である「拍」と文字の照合をしながら理解を深めていきました。

日本語教育ではよく、拍の理解を促すのに「教師が学習者とともに手をたたく」ということを行いますが、当法人はそれをしていません。この方法で実は混乱をしている学習者も少なくありませんし、教師の側も手をたたきながらしゃべるのは、意外と難しかったりしますね^^;

このクラスでは「ぼうさいくんれん、音はいくつありますか?」とクイズ形式で呼びかけ、これについて学習者が各々「4?」「6?」「8!?」と考えて答えるということをしてトレーニングしました。

「答えは8個です。8個にならなかった人は、どこか音が抜けてると思いますよ~。いっしょに数えてみましょう」と言いながら、指を折って数えました。

当たった、はずれた!の一喜一憂を皆さん、楽しんでいらっしゃいました。

母語干渉により発音が不得意な音もあって、そういうところは教師が説明するより先に学習者同士でアドバイスし合う様子が見られました。いろいろな国の人が集まって勉強するということは、色々な音の研究者が集まっているとも言えます。これは、教室活動の財産です♪

互いの努力を認め合い、こんなにも手を高く上げて相手を賞賛する場面もありました。温かいクラスの雰囲気にほっこりします。

 

④ディクテーションは、スマホを使って

ディクテーションは宿題にしました。講師がその日に学んだ語彙を音読し、生徒はその場でそれを録音(録画)して保存して帰りました。その音源を自宅で聞き、文字を書く練習をし、翌週の冒頭、みんなでボードに書いて確認しあいました。

(「あし」と言っています(笑)↓)

 

⑤自主学習について

学習者と教師がLINEでつながり、授業時間外もオススメのアプリや勉強法について共有し合いました。また、かわいいスタンプを送り、学習の進捗を学習者同士で励まし合うこともありました。こうしてともに時間を過ごすことは、国籍を超えた関係性構築にも寄与しました。

つなひろ」や国際交流基金の「ひらがな・カタカナメモリーヒント」などを共有しましたよ。

授業終盤では思い切って授業時間内に「自主学習」の機会を設けました。クイズを互いに出し合う人や、一人で時間を過ごす人など、様々な学習方法で最終回のテストに備えました。

 

⑥レアリアを読んでみました

実際に「広報はままつ10月号」の「やさしい日本語」のページを読んでみました。声に出して、「読める!」実感を楽しみました^^

広報浜松は多言語になっていることも情報提供しました。残念ながら、「広報はままつ」の存在を知っている人がお一人もいませんでした。教室活動の機会をとらえて、市民サービスを周知していくことも私たちの使命として忘れてはならないと改めて思った次第です。

 

⑦無事に終了しました!

みなさん、修了おめでとうございます。おつかれさまでした^^

浜松市委託としてはこの日で終了しましたが、来週からは当法人が文化庁より委託を受けて主催する「バヤニハン日本語教室(浜北クラス)」として続きます。

↓↓↓

また来週お会いしましょう!