「外国人の生活と就労」在留資格を扱う行政書士と、外国人支援団体との連携から見る

みなさん、こんにちは。今日は文化庁から委託を受けて実施している人材育成事業、公開講座のお知らせです。

当法人は今年度から、行政書士の古橋洋美先生と連携をしております。その中で、先生からこんな話をお聞きしました。

行政書士という仕事は在留資格に関する業務までは携わるけど、資格認定が取れたところで手を離れてしまうので、生活相談として受けていた案件については橋渡し先として、NPO法人の存在は貴重だというものでした。

いっぽう、私たちも日ごろの活動において、在住外国人から様々な相談を聞くけれど、専門家への橋渡しは欠かせないということを強く感じています。

この両者が手を携えて、外国人のための支援をするという事例はきっと、今後、外国人の定住化が進む上では参考になる取組の一つではないかと考えます。

皆様のご参加を、お待ち申し上げます。

お申込みは「コチラ

多文化共生社会の防災・減災(報告)

今年も残すところ、わずかになりました。 年末年始は大寒波がやってくるようです。皆様、気を付けてお過ごしください。

さて、12月19日に文化庁委託人材育成講座 「多文化共生社会の防災・減災」を実施しました。 共催浜松市、 公益財団法人浜松国際交流協会(HICE)

 講師は、仙台多文化共生センター 菊池哲佳(あきよし)さん、 それから (公財)浜松国際交流協会(HICE) 多文化共生コーディネーターキクヤマリサさん。 ご参加者は全国から日本語教師はもとより、 自治体・国際交流協会関係者、 地域の活動を推進されてる方などがお見えでした。 皆様、ありがとうございました。

内容はこちらをご覧ください。

★菊池様資料

仙台多文化共生センターHP(こちら

★キクヤマ様資料

(公財)浜松国際交流協会(HICE)HP(こちら

★講座の要点(内容)

ブラッシュアップ!通訳・翻訳のスキルと心がけ

お知らせです。2月11日と23日に、通訳・翻訳の仕事に興味のある人向けに、勉強会を行います。久しぶりに対面での公開講座です。

こちら毎年問い合わせを受け、人気講座ですが、ソーシャルディスタンス維持のため、定員45名の部屋に対して受講者は20名までの募集となっています。

どうぞ、お早めにお申し込みください。

なお、昨年の本講座の様子は(こちら)をご覧ください。

出前講座「やさしい日本語で伝えてみよう」

先日、とある高校(定時制)から、「やさしい日本語」に関して出前講座の要請を受け、行ってまいりました。

あたりはすっかり夜です。

この日の生徒は高校1年・2年生、あわせて30名。なかなかの大所帯です。

さっそく生徒の皆さんに、「”やさしい日本語”っていう言葉を聞いたことある人いますか?」と聞いたところ、みごとに、ゼロ!!!(想定内、やりがいありますね)

さぁ、今から2時間で「やさしい日本語を使ってみたい!」という段階まで持っていきますよ~

普段はあまり「やさしい日本語とは」という説明をしないのですが、今回は高校生ということもあり、少し社会学習の要素も取り入れました。そのため、「やさしい日本語」の誕生背景についてお話いたしました。皆さんもご存じの通り、阪神淡路大震災のときに外国人の被災者が多かったこと、日本語も英語もわからない外国人が実はたくさんいたこと。

でも、日本語をちょっと工夫するだけで外国人にもわかりやすいものになること。その後、さらに観光・行政・多文化共生分野にまで広がって今に至ること。

話を聞くばかりではつまらないと思いますので、動画でイメージを確認してみましょう♪

①やさしい日本語ツーリズム研究会の動画「やさしい日本語にはゆめがあります

でも、実際に日本語を使って外国人と話をするってどうやるの???に答えるためにもう1本!

②静岡県の動画「話そう、やさしい日本語。」

要点をワークシートに埋めながら、聞いてください。動画は書くスピードに間に合わず、どんどん進んでいきます。でも大丈夫!今日は30人もいますから、聞き逃したところは後でみんなでシェアしましょうね^^では、どうぞ~

この動画は、「やさしい日本語」のマインドと、
「文章を切る」コツがわかる動画になっています♪

「やさしい日本語」の要点でもある「はさみの法則」を講義で補足し、後半はワークに挑戦!

ワークは、ご依頼主様に合わせて、内容を変えています。今回は「知らないことを聞き続けるのは、日本語でもよくわからない」というリアル体験をどのように教室に持ち込むか…を、念入りに考えました。

高校生たちには「わかるまい」。1980年代の「ねこ」たち((´∀`))というわけで、今回の「わからないリアル体験」はジェネレーションギャップを使って。

このあと、今年の「流行語大賞2020」にノミネートされた用語から、好きなものを選んで「やさしい日本語」に変換するというワークをやってみました。

学校と生徒の許可をいただいていないので成果物をお見せすることはできないのですが、ワーク中は皆がいろいろ話しかけてくれました。

「箇条書きにしたほうがいいですか」「この、言葉を選んでもいいですか」「できました。これ、どう思いますか」「うちのタマ知りませんかについて、私も書いてみていいですか」などなど。

ところで、こうして見回っている際に、ある生徒がメモしてくれた言葉に目が留まりました。実は時間があったら最後に今日の振り返りをしたいと思って、設問を残しておいたのです。

気づいたこと、感じたこと、疑問に思ったことを書いておきましょう

この空白に、「なんか、すこい!」と。ビックリマーク付きで感想を書いてくれていた子がいたのです( ゚Д゚)

学校内はカメラ撮影禁止だったので、「こんな感じで書いてくれていた」というイメージ画像でm(__)m 大きな字でした!!

これを見て、心から「今日、高校へやって来てよかった」と思いました。「やさしい日本語」を全く知らなかった子が本講座を受けて、どこをどう「なんか、すごい!」と思ったのか、聞いてみたかったです。

次回機会があって、またどちらからかご依頼を受けた際には、こうしたところを深めて、皆さんの記憶に残るよう努めたいと思います。

最後は、静岡県からお預かりしていた「やさ日富士夫くんバッジ」を生徒の皆さんに差し上げました。

富士の裾野のように「やさしい日本語」が広がりますように。

日本語Can-Doリストを「自律学習」と「ピア学習」で作成してみました♪

土曜日のクラスは延期していますが、平日の「駅南クラス」は就学に困難を抱えている子供たちのための居場所という機能があるため、委託元の浜松市に相談の上、コロナウィルス感染予防対策を徹底しつつ活動しています。

入室時に記録するシートです。

さて、今日の活動の報告です。このクラスは日本語教師3名、バイリンガル講師2名、通訳1名、算数支援者1名体制で実施しています。それぞれ下記を分担しています。

①算数、数学のうち、おもに計算問題を支援する

②学校の生活に慣れるための初期適応指導

できる日本語」を使って、文法指導

④高校受験での面接、作文のための指導

⑤会話など全般(①~④のまとめとして受験にも、日常生活にも、若い子の生きる力にも!?バリエーション広く対応できるような内容)

こうして見ますと「⑤会話など全般」の部分はコーディネーターからの要望が、ざっくりしている割にハードル高いような^^;

しかし、言い渡されているからにはやるしかない…というわけで、今日はこんな感じ。

まずは、みなさんの来日年月日を聞きました。クラスでは日本語をどのように運用するか、ストラテジーやテクニックを添えたりもします。

「いつ日本に来ましたか」は何度も練習済。しかし、会話では「どれくらいですか」と期間を聞かれることも。会話はキャッチボールなので、正確に答えられなくても大丈夫。半年ずつくらいのスパンで、前に「だいたい」を付けて答えることもできます。

今年9月から、平日3日間ほぼ休まずに勉強を続けてきた子供たち。すっかり日本語が上手になっています^^

そこで、言語学習の4つの技能に注目しましょう!

この言葉を使って、辞書形で文章をたくさん作ってください。一行ずつ、思いつくままにノートに書いてね~

出来上がったら、発表します。みんなでシェアしましょ♡

クラスメイトの発表を聞いて、自分が書かなかった文章については聞き取ってノートに書き加えてください。

「Novelって、日本語で何?」「意見を話す→言うの方が自然だね」「レジィオ?ラジオのことかな」などなど。書きたいことがあふれている子供たちは、それを日本語で何というか?興味津々。「さっき、言ったじゃん」「この前、習ったよ」と互いに厳しい指摘と切磋琢磨し合う姿は、生徒間に信頼関係があるからこそ。いいね!

さて、アクセル全開で皆に聞きますよ~

今、皆さんが書いてくれた文章はセルフチェックリストです。すべての文章の前に「日本語で」を付けてみましょう。〇△×…横に書いてみてください。来日してから、ずいぶん日本語を使ってできるようになったこと、増えたと思いませんか?

みんなで勉強すると発見もあり、学びも増えて、なんと楽しいこと♪時間が経つのもあっという間です。

発表の最後には、昨日習った漢字「以上」を使って、「以上です」という締めくくりの実践もしたんですよね。

今後も若い子供たちに、言葉プラスαの力を付けるにはどうしたらいいか?を実践しつつ、社会に送り出してあげたいと思います。

なんて言いつつ、実は子供たちのストイックな自己研鑽と切磋琢磨に刺激を受けています^^

職業訓練の説明会

個々のケースによっては、「雇用保険」や「訓練手当」、「訓練受講給付金」を受けられる場合もあります。ご不明な点は「説明会」でお問い合わせください。

(参考)

フィリピノナガイサホームページ「職業訓練はじまります」(こちら

厚生労働省「雇用保険を受給される皆様へ(タガログ語)」動画(こちら

「多文化共生社会」の防災・減災

地震、台風、大雨、洪水…日本は自然災害がとても多い国です。

そんな中、国内には300万人近い外国人が暮らしていますが、「自国との気候・起こり得る災害の種類の違い」を知らない人も多くいます。多様化が進む私たちの「地域の防災・減災への意識」は、従来のままで大丈夫でしょうか。

そこで、講座を一つ計画しました。参加費無料、定員90名まで、詳細は下記チラシをご覧ください。

本講座の第一部では、東日本大震災でのご経験から当時困ったことや、現在の住民の意識変化を共生社会の視点からお聞きします。(講師は仙台多文化共生センター長の菊地哲佳さん)

第二部では「浜松市災害時多言語支援センター」の取組をお聞きします。(講師は公益財団法人浜松国際交流協会HICEのキクヤマリサさん)

地域日本語教室はたいてい協働センター(公民館)を会場とすることが多いですね。こうした施設利用者は日本語教室に通う外国人のほか、地元住民もいます。

このように人々が集う場を捉えて、日ごろの教室活動で災害への備えとしてできることを今一度考えられるよう、ご参加者の皆様と共有したいと思っています。

日本語教育のご関係者はもとより、通訳・翻訳者、自治会の方、地域の方など。全国から国籍問わず参加をお待ちしています。(講座は日本語で行います)

お申し込みはメール( filipinonagkaisa@yahoo.co.jp )まで。「お名前」「ご所属」「ご連絡先」を記してお申し込みください。ご参加者には、12月15日ごろ、参加URLをお送りします。

よろしくお願い致します。

主催:NPO法人フィリピノナガイサ

共催:浜松市・(公財)浜松国際交流協会(HICE)

土曜日の対面での教室はしばらく中止します。

現在、国内ではコロナウィルス感染拡大に関するフェーズが日々、刻々と変化しています。

そのため当法人は、土曜日の対面での教室を本日より年内いっぱい中止します。(実際には先週11月21日も元々クラスがない日でしたので、今年はこのまま皆さんには直接会えないままとなってしまいます)

ただし、「オンラインでの振替」「1月以降へのスケジュール変更」を検討しており、クラスごとに対応をしていきます。随時、個別に参加方法等をお伝えしていきますので、よろしくお願いします。

引き続き、気をつけてすごしましょう。(Keep Safe)

厚生労働省(こうせいろうどうしょう/Ministry of Health,Labour and Welfare)のホームページ(こちら

(報告)調査の手法から考える「生活者としての外国人」のニーズを基盤とした地域日本語教育

このたび、緊急開催!ということで公開講座「調査の手法から考える(「生活者としての外国人」のニーズを基盤とした地域日本語教育)」を実施しました。

講師は静岡県立大学国際関係学部教授・高畑幸先生です。

ところで、高畑先生からご参加者26名には事前にアンケートのご協力をお願いしていました。「今回、フィリピノナガイサの講座に参加するのは何回目ですか」の問いに、約半数の方が「はじめて」とご回答くださっています。

講座開始時の自己紹介では、全国から、さまざまな背景を持つ方々が、それぞれの現場ごとに課題意識を持って、ご参加いただいていることも伝わってまいりました。

日本語教育関係者(教師、ボランティア、日本語学校経営者)、自治体や国際交流協会の職員、大学教授、大学生、外国人雇用コンサルティング会社経営者、そして海外からのご参加も複数名…新しいつながりに感謝いたしますm(__)m

さぁ、内容のご報告です。先生からは冒頭、「本講座の目的として、『生活者としての外国人』が日本での生活をより充実したものにするために行う日本語教室というものがあり、そこにはどんなニーズがあるのか?それらを知るための調査の方法や気をつける点などについて学びます」というお話がありました。

一つの事例として、1990年代に先生が名古屋栄東地区のフィリピンコミュニィに関心を持ち、2000年代に入ってからは同地区の日本人を対象に外国人住民の地域参加に関する意識調査をしたこと、その調査をきっかけに、地域全体が共生社会に向けて動いていき、行政と地域組織、フィリピンコミュニティが連携した「共生事業」が根付いている…そのような話をお聞きしました。

この地区のフィリピンコミュニティであるフィリピン移住者センター(FMC)では、フィリピンの方々の生活や抱えている課題など、色々見えてきたのだそうです。(キーワード/「ラポール形成」「参与観察」「ゲートキーパー」)

その後、栄東地区の日本人住民を対象に意識調査をする必要を感じて、町内会長さんに協力のお願いに行ったそうですが、最初は「この人だれ?」というご反応だったとか。

けれども調査後、「数字として結果が表れる」というのが一つの説得材料になり、町全体が動いていった!と。

こうした実例を伺うと、大変励みになります。興味深くお聞きました。

また、調査実施前に町内会長さんたちと話しながら、先生が「もともと日本人住民も、”なんか最近、外国人増えているよね。何か一緒にできないかな”ということをぼんやりとでも思っているのでは?」と予想を付けていたからこその行動力と結果だったのだとわかりました。

調査の結果は当時、中日新聞にも取り上げられ、両者(フィリピンコミュニティと自治会)の声が社会の中に「見える化」されました。これにより、あらたに「行政(中区まちづくり推進室)」が加わり、互いの関係性が続く仕組みができたことも必見です。

★栄東まちづくりの会(こちら)…高畑先生の調査後、町内会等の地域組織から代表者を出して結成された。活動の目的のひとつが「外国人住民との共生」(2003年)。

★フィリピン人移住者センター(FMC)…日本で暮らすフィリピン人を支援し、社会・文化・経済・政治的地位の向上を目指すとともに、日本内外の他団体と連携しながら、フィリピン系コミュニティと日本社会との良好な関係を築くことを通じて多文化共生社会の構築を目指している団体です(代表:石原バージさん)。

それぞれの団体は長年にわたる多文化共生の活動が評価され、2013年と2015年に愛知県知事から表彰されたそうです。また、今年はコロナ対策に向けた活動として、「FMC」の皆さんが同地区の飲食店で働く外国人にマスクを配布されたとうこともお聞きしました。

栄東地区での多文化共生事業については、ぜひ「こちら」の動画もご覧ください(制作:DiVE.tv)。

こうした先生のお話から、リアルな社会現象の中に自分たちも存在しているということを「まず、知ること」「関心を持つこと」から調査へ踏み出し、分析結果から、それぞれの現象の関係性を知り、必要な仲介を行うことができることも教えていただきました。

その他、調査の進め方や注意点などをお聞きしましたが、こちらはご参加いただいた方のみの特典として、本記事への掲載はここまでにさせていただきますm(__)m

「社会調査」について詳しく知りたい方は、「社会調査士」の認定団体である一般社団法人社会調査協会ホームページをどうぞ(こちら

全国で200以上の大学に社会調査士資格取得のためのカリキュラムがあり、ホームページではその大学の一覧が見られます。これは学生が「社会調査士の資格を取りたい」というときにも、自治体が「住民に向けた調査で地元大学の協力を得たい」という場合にも参考になるそうですよ。

さらに、社会調査について独学でもっと勉強を深めたい方は、甲南大学の「社会調査工房オンライン」のサイトにも調査のノウハウが書かれています。参考にしてください。

最後は恒例のご参加者と記念撮影をさせていただきました。本事業は文化庁委託にて実施しましたが、皆さまとともにこうした講座に参加した足跡を残すこともまた、次の活動に結び付きます。ご参加、ご協力、改めましてありがとうございます。

講座を改めて振り返りまして、先生から大事なメッセージを受け取ったと思います。それは、「調査をするということは、調査を受ける側の時間を奪ったり、調査内容によっては精神的苦痛を与えるようなものもあるかもしれない。そのことを常に頭に入れた態度と配慮をもって、調査に関わるように」ということです。信頼関係の構築、無駄のない聞き方の大切さから、これまで本事業がシリーズで実施してきた「やさしい日本語」に通じる点が非常に多いと感じました。

高畑先生、今回は大変貴重なお話を聞かせてくださいまして、ありがとうございました。Maraming salamat po.